事例について考える
まず話しあいを
長谷川 美佐保
1
1国立療養所東京病院付属高等看護学院
pp.8
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904442
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全く同感です。実は私も同じようなことを感ずることがあります。教育にはある意味では,きびしさがなければならないと思っております。しかしそれが一方的でなく,なぜそうするのか,なぜそうした方がいいのか,学生たちに納得させる必要があるように思います。こちらがどんなに,それがいいことだと思っていても,学生がその必要性を認めなかったら教育の効果もあがらず,教務の努力も水泡にきしてしまうことと思います。そこで大切なことは,その問題点について話し合うことが第一だと思います。そして,そこで学生のいい分も十分に聞き,教務の考え方もいって,話し合ってみることだと思います。1回でだめなら2回でも3回でも話し合い,学生側に意見があれば,時間をかけて聞き,場合によっては教務も十分に考えて,学生の意見もとり入れて,よりいい方向に変えていくことも必要だと思います。ここで注意しなければならないことは,自分たちのいうことは何でも通るというような印象を与えるのでなく,あくまでも,教育的な立場にたって,教務の考えも十分に理解させた上で,話し合いの結果,改めるべきところはあらためるという方向にもっていくようにしてはいかがでしょうか。
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