Guide for Teachers 小特集・私は外科看護法をこう教えている(II)
手術室勤務技術
佐藤 ヒデ
1
1旭川赤十字病院
pp.8-11
発行日 1962年5月1日
Published Date 1962/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904184
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外科学は戦争が起きては進歩発展し,平和になっては麻酔学の発達と種々抗生物質,サルファ剤の発見にともない,表裏一体となって進歩して,手術が往時至難とされたものが,容易に行なわれるようになり,また建築,交通機関の発達にともない,それら事故に起因する傷害に対する手術などの発展は日進月歩将来予測を許さぬものでありましよう。この大切な手術室を預るのですが,私は求められてペンを取りましたが,設備ではむしろ前近代的というほうが適切かも知れないところです。
しかし,件数はとも角として,外科では心臓手術を除いた胸部外科,頭部外科,腹部内臓外科,その他一般,皮泌尿器科,産婦人科,整形外科,耳鼻咽喉科,時に歯科まで持ち込まれる総合手術室として動いている。施設や設備が前近代的なところで,近代的手術を行なうのであるから神経を消耗することは普通以上,その割合に成果が上がらぬ(すなわち術者へ不自由をかけるのではなかろうかと反省させられる)。ここで教育される学生には委託生もあることで,必らず卒業後残るとは限らぬし,どこの病院に勤務するようになっても根本原則を把握していたなら困ることがないと思い,また近代的病院に勤務した時,全くの五里霧中にならぬよう,すぐ感じ取れるぐらいにして置きたいと念願し,理想的近代的設備の場合とそうでない場合と両面から講義し,実際から遊離せず実習場でも納得できるようにと心がけている。手術室として最も強調している無菌操作を主とし,特別措置を構じているもの,注意事項を取り上げて記して見よう。毎日が勉強であり,この職にある方たちのご批判をいただき,将来の自分の指針にさせたくよろしくお願い致します。
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