Guide for Teachers
私は基礎看護をこう教えている
福沢 政子
1
1鳥取赤十字高看学院
pp.597-601
発行日 1961年12月1日
Published Date 1961/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904110
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.この科目に対する教師の心構え
看護業務をよりよく遂行するために,看護婦は自分自身健康であると同時にほのぼのとした温かみの感じられる人間性と,広範な知識と,誰にもひけをとらない専門的な知的な技術が必要である。従って現在各学院で取り上げられている教科目はけっして十分ではなく,しかも取扱われている科目に軽重をつけて,粗末に取扱ってよい科目や機会教育は一つだにない。しかし看護教育のように具体的な教育目標が端的に現わされている場合には,おのずから主体になるものと別になるものができてくるのは当然の理であろう。すると看護教育のカリキュラムの中で最も重要な位置を占める科目は「基礎看護」(または看護の原理と実際)をおいて,右に出るものはない。すなわち,看護教育が1科目や2科目のみを重点的に行なうことによって完遂されるとは思わないが,「三つ児の魂百までも」といわれるように,この科目を通して白紙の状態でいる学生へ看護とはいかなるものであるか,また看護婦の理想的姿はどのような像であるかなどを理解させ,看護婦としての基礎づけをするのがこの科目の重要な役割であろうと確信し,ぜひ効果をあげたいものだと考えている。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.