教育の基礎
学習指導の基本的視点—「わかる」の追求を通して
三枝 孝弘
1
1岡山大学
pp.457-460
発行日 1961年9月1日
Published Date 1961/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904078
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I.学習指導のねらい
看護教育は専門的職業人の教育であり,従って学習指導のねらいは,専門的職業に必要な専門知識,技能,態度の修得に主眼をおくことは否定できない。そして,この「必要な専門的知識,技能,態度」における「必要」さは,社会の要求と関係科学の成果によって決定されるものであることも否定できない。このような教育の内容としての知識や技能を3年間の学校教育においてどのように位置づけるか,という問題が教育課程(カリキュラム)編成の問題である。従って,教育課程とは,単に法的に列挙された諸教科の年間配当表のようなものではなくて,「ほんとうに必要な知識や技能,あるいは態度」をいつ,どこで学習せさるか,という問題にかかわってくるものである。「何がほんとうに必要であるか」という問題については,先生方が話し合い,研究し合いつみ重ねていかれることを期待したい。
ところで,このような教育内容をどのようにして学習させるか,という問題が,学習指導の問題であるが,どのようにして学習させるか,という学習のさせかたは,そのような指導が何をねらっているかによって異なってくる。
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