読者からの手紙
"なんのために"と追求することから
玉水 満
1
1グループ・トーチ
pp.9-10
発行日 1965年12月10日
Published Date 1965/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203513
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秋も深く本年もまた,またたく間に過ぎてしまいそうでございます.1年という期間にいろいろな期待をかけ,そして本年こそはと目指して職場の充実に努力しているつもりが,年をへるに従い,企業の目的に相反したり,熱心なあまりに周囲と離反していなかったかとか,そもそも「保健サービス」というものが職業として成立するのか,と迷いを生じると果てしなくその迷路の中で方向を見失いがちでございましたが,この大阪の公衆衛生学会に参加したことは,こんな時だけにおおいに救われ,力強く,新らしい青写真を与えられたような感じがいたしました.
学校を卒業し一人歩きを開始して,その後,自身で考えていた方向の再確認,無言の支持.学会はそんな雰囲気をもって,動いている公衆衛生を肌にぐいぐいと感じさせました.私が主として参加したところは,総会シンポジウム関係でした.昨年の札幌,一昨年の横浜へも参加しましたが,学会では現在最も活動している先生方をも集めて討議される議題に,問題の焦点であり,それを保健婦が行なったら最適任であると考えられるような件についても,保健婦は単に企画されたものの進行係として請負い担当者としての役割だけで,本来の業務「保健指導」とは飾り文句であったかと心細く感じて帰る日もありました.
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