速報 看護婦国家試験出題基準
出題基準作成にかかわって:人体の構造と機能/社会保障制度と生活者の健康/基礎看護学/老年看護学/小児看護学/母性看護学
菱沼 典子
1
,
中島 紀恵子
2
,
寺町 優子
3
,
井上 郁
4
,
筒井 真優美
5
,
堀内 成子
1
1聖路加看護大学看護学部
2北海道医療大学看護福祉学部
3東京女子医科大学看護学部
4高知女子大学看護学部
5日本赤十字看護大学
pp.587-592
発行日 1999年8月25日
Published Date 1999/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903834
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人体の構造と機能
「人体の構造と機能」は平成9年の看護婦学校養成所指定規則改訂で,様変わりした内容の一つである.それまでの解剖学,生理学,生化学また栄養学等,基礎医学分野の科目が「人体の構造と機能」にまとめられた.このことは,看護婦・士に必要な人体に関する基礎知識は,基礎医学の各科目そのままの内容ではないことを意味している.この意図を受けて,今回作成された看護婦国家試験出題基準は,看護婦・士が人体について何を何のために知っていなければならないかを,改めて問うものとなった.出題基準の目標に示されるように,看護婦・士が人体を理解する目的は,大きく2つに集約される.
一つは日常生活を体がどのように営んでいるかの理解である.看護婦・士が行う療養上の世話すなわち日常生活の援助を行うためには,その日常生活の行動,動作の一つひとつを,体がどのような器官を使い,どのように行っているかの理解が必要である.例えば排尿の援助を行うには,尿意がなぜ起こるのか,尿意はどこに伝わり,実際の排尿行動はどのように起こるのか,体の内部で生じる反応やそれに基づく行動の知識が必要である.同様に呼吸や栄養摂取や性に関する正常な状態での仕組みを理解していなければ,具体的にこれらの生活行動を援助することはできないし,援助方法の開発も困難である.
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