連載 大地を踏みしめて・4
看護婦国家試験の出題基準はいつ?
関根 龍子
1
1国立療養所東京病院附属看護学校
pp.556-559
発行日 1997年7月25日
Published Date 1997/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901653
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第86回の看護婦国家試験では,受験者49,774人のうち合格者43,317人,合格率は87%と発表されました.3年前,1994(平成6)年の合格率は98.9%.昨年の89.8%からもさらに合格率は下がってきています.卒業生を送り出してから発表の日まで,教員は全員の合格を願いつつ,緊張しながらこの日を待っています.しかし,年々増える受験者数と,下がり続ける合格率で,表に示したとおり不合格者数は4年前の20倍にもなっています(表).
国家試験はそれぞれの職種,看護婦国家試験は看護婦として必要な知識および技能について,これを行なうと保健婦助産婦看護婦法(以下保助看法という)の第17条に,また看護婦の国家試験試験科目は同法施行規則の第22条に決められています.看護婦に必要な知識および技能とは基礎的なレベルでの知識や技能をさしていると考えますが,国家試験の出題基準が示されていないためにレベルをどの程度におくかが,教育者によって違ってくるのは当然のことです.また,国家試験の目的が,ただ知識の量を測定するだけのものであってはならないとも思います.
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