特集 患者経験を通して看護教育を考える
患者の自己決定権の尊重を
患者の心が看えるナースに
長濱 晴子
pp.942-948
発行日 1995年11月25日
Published Date 1995/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903727
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はじめに
重症筋無力症と診断されて,2年になりました.臨床経験は老人看護を含めて9年,看護行政9年,そして現在の政治立法が5年と,まあまあ人生を順風に歩いてきたナースが突然,重症筋無力症という難病になり,どん底に突き落とされたようなものでした.それから1人の患者として看護を受ける立場となり,改めて看護について考えるチャンスを与えられたのだ,と最近やっと思えるようになれました.多くの方々がそのようなことをサラリとおっしゃいましたが,私にはそう簡単なことではありませんでした.6か月余の入院生活と,1年半に及びなお続いている自宅療養で,様々な体験を重ね,悩みながらやっとたどり着いた思いなのです.
患者になっての体験と感じたことは,本当にたくさんありますが,ここでは入院中にあった1つの例から見える「私の期待するナース」について,述べたいと思います.
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