特集 口と食べることとの関係―QOL向上を目指して
QOL向上に果たす口腔ケアの役割と意義
牛山 京子
pp.262-267
発行日 2003年4月25日
Published Date 2003/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903385
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はじめに
人が幸せを感じることの1つに,食べる楽しみがある.健常者は,当然のごとく口腔内を清潔に保つことができ,自然のメカニズムとして摂食している.一方,高齢者・要介護者は,口腔内が劣悪な環境で廃用性萎縮を呈し,機能障害を起こしやすい.そうすると快適に美味しく食事摂取ができなくなる.経口摂取が困難になったため,経管栄養を選択せざるを得ない人たちも少なくない.
人生の晩年は疾患との闘いの時期でもあり,当然薬の服用回数も多くなる.食欲があり食物摂取が円滑でさえあれば,薬の効用も確かなものになるだろう.薬が効いて健康を維持できれば,生活意欲も増し,ものをますます美味しく食べることができ,はかりしれない効用をもたらす.
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