特別論考
経管栄養に関する実験研究および理論的考察
平田 雅子
1
1神戸市看護大学短期大学部
pp.986-997
発行日 2002年11月30日
Published Date 2002/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903319
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はじめに
「経管栄養」は,日常よく行われる看護技術であるが,時として患者に苦痛をもたらす.そのため,苦痛を少しでも軽減するために,種々の工夫がされ,研究テーマに取り上げられることが多い.その場合,①注入物そのものの組成,②注入の速度と量,③注入時の温度・pH・浸透圧などが患者の苦痛に非常に影響するといわれており,なかでも注入時の温度,つまり低温刺激は下痢の原因と考えられ,研究や工夫が学会や誌上で発表されている.しかし,「加温」や「湯煎」を概念的に扱っている場合が多く,基本的・具体的な報告が乏しいだけでなく,その理由に言及していない.
われわれは,従来行われている方法を検証し,また,実際に管から胃に到達した注入物の温度を測定する工夫もして,経管栄養における技術を3年にわたり研究した.その結果を「従来の方法ではなぜ適温保持ができないのか」「どうすれば,栄養物の適温保持ができるのか?その理由は何か?」として発表した1~3).
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