連載 病態生理学講義ノート・7
細胞の内部環境(3)―酸・塩基平衡
内藤 恭久
1
1浜松医科大学病理学第一講座
pp.592-598
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903245
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はじめに
解剖生理学の中でも「酸・塩基平衡」は,臨床看護経験のない1年生にとっては大変理解し難い項目の1つです.入学したばかりの4月後半~5月半ば頃に学習するように組み込まれているのも1つの原因でしょう.しかしながら,ある程度臨床経験を積んだはずの卒業真近の学生にとっても,「酸・塩基平衡」は国家試験の勉強で苦しむ科目の1つになっているのです.
ある疾病がベースとなって酸・塩基平衡の乱れが起こりますが,学生の声を聞くと,たとえば,呼吸・腎障害,他の内臓疾患をもった患者さんの臨床検査データーと“酸・塩基の乱れ”にみられる両イオンや代謝産物の質的・量的変化と疾病との関連性をイメージングしたり,明確に捉えたりすることが難しいようです.となると入学間もない1年生ではなおさらでしょう.
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