看護教育研究
看護学概論のテキストにおける「看護の歴史」について
関谷 由香里
1
1日本赤十字広島看護大学(基礎看護学)
pp.577-579
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903242
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はじめに
一般的な史学の意義は,「われわれ人間に自己知識と自己認識とを教え,過去の事件や状態が,いかにしてまた何によって生成したか,実に何が未来においてそれらのものから生成するであろうかをも示し,もって過去の事件や状態から現在のそれらを理解させる」1)ことである.したがって,基礎看護学教育課程にある学生が「看護の歴史」を学ぶ意義は,今日までの看護の変遷を正しく認識することによって,看護の専門職者となりつつある者としての自覚と認識を高め,看護の歴史から,将来の看護のあるべき姿を予測することが可能になるということであろう.これほどの意義を有する「看護の歴史」を学生に教授する際に,どのような教材*1を用いればよいのだろうか.
現在,看護教育・養成機関では,一般的に「看護の歴史」は,看護学概論の中で教授されている.従ってその教材は,看護学概論の教授者が,独自に作成したり,既成のものを吟味して選択しているものと思われる.
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