焦点 看護師国家試験への提言
年1回の全国一斉試験という国家試験の運用実態から考える
山内 豊明
1
1名古屋大学医学部保健学科
pp.550-551
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903234
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本年度の看護師国家試験の発表日にあわせて,医道審議会保健師助産師看護師分科会の保健師助産師看護師国家試験制度改善部会報告書1)が公表された.それによれば,看護師国家試験への必修問題の導入,試験問題の公募ならびにプール制度の導入など,積極的な改革の提案であるとうかがえる.また今回,その導入は見送られたものの,禁忌肢の導入については,何を看護における禁忌とするかのコンセンサス作りなどにまずはじっくりと時間をかけ,再度十分に検討していこうという,慎重ながらも前向きな方向性を提示したものと感じられた.
資格試験としての国家試験のミッション(使命)とはそもそも何かという論考は別に譲る2)が,基本姿勢は「看護師として必要な知識および技術を有しているか否かを評価するもの」1)であり,なかでも最低限度の知識と臨床能力について,それを有しているか否かについては今後導入される必修問題の絶対的評価によってその質を担保しようとするものである.
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