焦点 看護師国家試験への提言
技術論の立場から
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.548-549
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903233
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梢の先の芽吹きがうっすらと春間近を思わせる頃,幾つかの卒業記念講演に招かれた.国試を終え身も心も軽やかな学生たちを想像しながら門をくぐったのだったが,いずこでも,卒業式を間近に控えた学生たちの,達成感の得られない結果に対する教師らのさまざまな思いを耳にした.「難しかったのですか」との問に,「難しいというより,おかしいんです」という答えが多かった.
そんなわけで,何年ぶりかに国家試験問題にチャレンジしてみた.とくに問題を感じたのは,状況設定問題であった.看護の経験があればあるほど,状況や場面への想像力があるほど,答えられない問題であった.EBNを志向する時代だというのに,全くこれとは正反対の問題ばかりが目についた.つまり,「正解はない」という解答しかできないのである.各々の設問に対する問題点は,既に指摘された通りであるので再論しない.
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