焦点 看護師国家試験への提言
出題基準,国家試験問題に対する考え,ならびに注目される問題
美田 誠二
1
1川崎市立看護短期大学
pp.545-547
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903232
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出題基準にみられる問題点
平成11年6月に厚生省健康政策局から,看護婦国家試験出題基準(以下,「出題基準」)が発表され,これは翌12年2月の第89回国家試験から適用されている.この出題基準は,出題項目や範囲の概要を示すという方向性においては,然るべきものと評価できる.しかしその一方で,内容的には,項目ごとにどのレベルまでの知識や応用力を求めているかなど具体的な到達点が明確にはされていない.
筆者は,「人体の構造と機能」,「疾病の成り立ちと同復の促進」に相当する領域を学生に教授しているが,病態生理学という科目担当者として困惑する点もある.すなわち,項目分類そのものは看護学的視点で大項目,中項目,小項目と仕切っているわけであるが,この仕切り方のために,疾患によってはその病態,特に全体像の把握にむしろ困難を生じさせているのである.
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