特集 看護教育をとりまくこの1年の動き
助産婦国家試験出題基準の評価
太田 操
1
1順天堂医療短期大学
pp.1055-1058
発行日 1998年12月25日
Published Date 1998/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903826
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はじめに
助産婦国家試験は,昭和23年の保健婦助産婦看護婦法の制定に基づき,国家資格取得の試験として行われるようになって以来,今年で第81回を迎えた.その間,社会の変化や医療の進歩に伴い看護学や助産学も変化・発展していった.カリキュラムは改正を重ね,それに応じて国家試験も出題形式や数などの検討がなされ,改定されてきている.近年の国家試験の傾向は,昭和63年厚生省から発表された「看護婦等の国家試験ならびに保健婦助産婦国家試験の改定要綱」によるものである.この「改定」によって,客観式テストは五肢択一から四肢択一に変更され,出題数は増加した.さらに平成8年度から,保健婦助産婦国家試験で行われていた主観式問題は姿を消し,全て客観式問題に変更された.
このような中で,厚生省は,平成9年度「保健婦及び助産婦国家試験出題基準」を発表した.新カリキュラムは,従来のそれに比べて大幅な弾力化が図られ,さらに看護大学の増設による教育内容やレベルの違い等の問題も今後予測される.このような現状において今回の国家試験出題基準は,どのような役割を果たしているのであろうか.「助産婦国家試験出題基準」(以下「基準」と略す)について,そのねらいや内容等,評価の観点から私見を述べたい.
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