特集 看護観と看護実践
「キラリ看護」の世界を語り継ぐ
川島 みどり
pp.198
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903158
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不況の反映だろうか,シャッターを下ろす店が目につく街並みを後にして,やがて,街道筋の畑のあちこちに白い花の群落が見えると,もう間近に学校がある.これが蕎麦の花であるとは,関口先生のお手紙で知った.こうして周辺のたたずまいのオリエンテーションで印象づけられた上,事前に送られた学生たちの「キラリ看護」の感想文.教師のこの一連のしつらえこそ,深い教育的配慮の賜物であると,つくづく思った次第である.参考文献や図書の紹介を行っても,講義前に目を通すことの少なさを嘆いていた私にとって,この感動は一様ではなかった.
特別講義や講演に招かれる機会は,ともすると一方通行のコミュニケーションに終わりがちで,一回限りの出会いも少なくない.場数を重ねることによる慣れを戒めながら,毎回,新しい気持ちで教壇や演壇に立つことを自らに課してきた.講義終了後の感想は,講義の事後評価として参考にさせて頂いているが,今回の事前レポートは,心地よいプレッシャーとともに,新たな緊張さえ呼び,いっそう心して講義に臨んだ次第である.
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