発言あり 労働基準法の改定
語り継ぎたい「時のしるし」,他
華表 宏有
1
1産業医科大学医学部公衆衛生学
pp.213-215
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207653
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わが国の労働基準法が40年ぶりに改定され,今年の4月から施行されることとなった.周知のように今回の改定は,法定労働時間を従来の週48時間から40時間に短縮することを基本的な目標としている,あわせて第3次産業の占める比重が大きくなってきた現状を踏まえて,この週40時間の枠組の中で,かなり弾力的な労働時間の配分の方法を認めたり,年次有給休暇の最低付与日数を6日から10日に引き上げ,かつ労使協定によって計画的付与が出来るように定めた.このほか,労働時間の算定,就業規則の中に退職手当について明記するにとなども,主なる改定点として挙げられている.
戦後40数年を経て,いまや世界の経済大国となったわが国が,国際的な対応も考慮の上で,このように法定労働時間の大幅な短縮を断行するまでになったことを,感無量なこととして受け取ったわけである.終戦の混乱の時代に,多感な中学・高校の青春を送った私のような昭和1ケタの後半の世代は,既に還暦に達した「きけわだつみの声」の世代とも,あとに続く戦後派の世代とも違っている.
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