特集 看護技術教育のこれから
第3部 看護技術を見直す
看護職の経験的推論に光を当てて―血圧測定実験を通した臨床的一考察
伊藤 悠子
1
1芦原病院看護部
pp.995-997
発行日 2001年11月30日
Published Date 2001/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902639
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はじめに
このたび芦原病院看護部では,日常よく用いる医療・看護技術について臨床現場に即した科学的根拠を求めて院内研修を行った.日ごろの疑問の1つとして,血圧測定の常識「どの教科書にも〔マンシェットのゴム管は下から出す〕とあるが,その根拠は明確でない」という問題があった.
臨床看護婦の多くは,経験的にゴム管を下から出しても上から出しても測定値に差がないという感覚を持っており,看護学生への指導の際は教科書通りの基本(①メヂカルフレンド『基礎看護技術―その手順と根拠』p. 124,1998,②金原出版『標準看護学13巻基礎看護学2』p. 158,1998)を尊重しても,日常的には下からゴム管を出すとかえって折れやすく,測定動作の邪魔にもなるために上から出して測定している者がほとんどであった.
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