特別寄稿
犯罪被害―遺された家族の心情
山内 久子
1
1弘前大学医学部保健学科
pp.463-467
発行日 2001年6月25日
Published Date 2001/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902520
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2000年11月24日から「ストーカー行為などの規制に関する法律」が施行された.ストーカーによる殺人や被害が相次ぐおこっている今日,これまでの行政措置と合わせて司法も積極的に対応する姿勢が示されるようになった.しかし,6年前はストーカーという言葉さえも世間ではまだ使われておらず,法律も制定されていなかった.
6年前の10月,当時大学3年生であった私の娘はストーカーによって殺害された.その悲しみ,怒りは今も癒えることはない.しかし,6年という月日を経た今やっと,事件のことや遺された家族の心情をまとめることができた.娘の事件の後も,ストーカーによる殺人事件はたびたび起こり,報道され,週刊誌等には興味本位と思えるようなタイトルが付けられて記事になっている.これらの記事を目にするたびに,私はその被害者の遺族の心情はいかばかりかと胸が痛くなる.
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