焦点
第90回看護婦国家試験の評価
青木 きよ子
1
1順天堂医療短期大学
pp.456-462
発行日 2001年6月25日
Published Date 2001/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902519
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第90回の看護婦国家試験は2001年2月25日に実施された.今回の国家試験は,1997年に看護婦養成所指定規則が改正され,それに伴い国家試験出題基準(以後出題基準とする)を公表し実施された2回目の国家試験であった.出題基準は,国家試験の出題にあたり適切な範囲およびレベルを確保するために,従来の医学モデルではなく,看護学の視点を中心に作成され,国民が求める質の高い看護職を確保することを目的として公表されている1).
この出題基準は教育のあり方を拘束するものではないとされつつも,出題基準に沿って実施される国家試験により,自校の教育で保証した質は国家試験で問うレベルを包含したものになっていたかを問われるため,受験生とともに教師もその結果を注目するのが当然といえる.今年度の国家試験の合格率(表1)は,84.1%であり,昨年度の合格率96.4%を大きく下回り,第87回の合格率83.6%についで低い合格率となった.また,既卒者の合格率は昨年度の49.5%より大幅に低下し18.3%となり,過去最低の合格率となっていた.
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