特集 21世紀を歩むナースたちへ
いのちの大切さ,平和への願い
久松 シソノ
pp.1022-1025
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902407
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皆さんは永井隆先生をご存知でしょうか.長崎に原爆が落とされた日,永井先生は長崎医科大学物理的療法科に勤務されているときに被爆されました.ご自身も重傷を負いながら,焦土の中を救援活動を続けられた永井先生.私はその永井先生の下で婦長を務めておりました.
私はいのちの大切さと,永井隆先生の「如己愛人」の精神と,平和を語り伝えていきたいと思います.永井先生は白血病で寝たきりの衰弱した身体で,平和の尊さを世界中に訴えられました.また,「隣人を自分同様に愛すること=如己愛人」こそが,人間の生活の黄金律であると説かれました.先生は,原爆の年の10月に,「75年は草木も生えない」と言われた焼け野原に小さな小屋(如己堂)を建て,住みこまれました.浦上の人々は,先生がお住まいだからもう大丈夫と安心し,1人,2人とポツポツ移り住むようになりました.
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