声
私の願い
山地 典子
1
1香川県坂出保健所
pp.313
発行日 1973年5月10日
Published Date 1973/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205279
- 有料閲覧
- 文献概要
私の勤務する坂出保健所は,近年番の州工業地帯の発展とともに工業都市としての性格をますます強くしている坂出市を中心に1市3町を管轄し,約10万の人口である。社会経済の急速な発展は,当保健所においても大きな変化をもたらした。番の州工業地帯の工業団地,住宅団地が平行して発展して,人口の急増とともに工業化に伴う健康阻害因子の増大,過密過疎(諸島)による地域における保健需要の多様化など,新たな保健上の問題を多くかかえている。また,今秋から着工される予定の瀬戸大橋にからむ諸問題など,目まぐるしく変動する社会情勢に,私たち保健婦はどのように対応しているだろうか。
住民の心も考え方も大きく変化し,価値が多様化し,個人が尊重され,国民の生命や健康を脅かされることに対し,これは侵害されることのない個有の権利であることを自覚し主張する昨今の風潮から,保健婦への期待も非常に高度なものになってくることが考えられる。70年代の課題の一つであるといわれる生命の科学や人間の諸科学など,私たちの活動に必要な条件が,だんだんにつくられつつある。私たちも起伏から立ち上がるには時代の流れに対応する柔軟な姿勢が必要と思う。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.