連載 論より生活・9
未知なる世界
頼富 淳子
1
1(財)杉並区さんあい公社
pp.794-795
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902363
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高齢者や痴呆症の人の介護について人々の関心が高まっている.新聞を開くとそのような記事の載っていない日はないといっていいくらいだ.先日,相次いで出た2つのコラムの要旨はこうだ.
1つの事例は,仕事を持つ女性が痴呆症のお母さんを在宅で看ておられる.日中はヘルパーやボランティアの人をつないで何とか凌ぎ,夜は娘さんが介護をされるのだが,特定の人が帰ってからのお母さんの混乱がひどい.妄言を大声でしゃべり続け,一睡もしない日があったりする.3年ほどもすると娘さんに妄言の意味が分かるようになる.妄言は相手に対する嫌悪や願望の感情が込められているようだと書かれている.
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