連載 景色の手帳・9
埠頭で
武田 花
pp.728-729
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902347
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埠頭に立つと、海から気持ちのいい風が吹いていた。
停泊中の船は三隻。どれも外国船だ。あれはロシア文字だからロシア船、こっちのはドンタコスに似た名前だから、きっとメキシコの船だと、船首や船腹に書かれた船名を読む。皆、赤錆びて古そうな貨物船である。
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