連載 感染管理に必要なナースのための臨床微生物学・2
見てみよう自分の口腔内細菌
佐竹 幸子
1
1群馬大学医学部保健学科
pp.712-715
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902343
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
学生にとって徴生物の世界は未知の世界であるので,感染症の原因が肉眼では見ることのできない小さな生き物であると講義(第1回,本誌6月号参照)を受けても,ただちにそのことを理解して納得することは困難である.講義で学んだことを自分の手足を動かして自分の目で確かめることによって初めて微生物の存在を実感し,理解を深めることができる.
そこで,看護学専攻の学生がまず始めに実施する臨床微生物学実習として,学生自身の歯垢および鼻前庭拭い綿棒をグラム染色して顕微鏡で観察することをテーマに選択した.歯垢は試料の採取が容易である点と,さまざまな形態の細菌を観察できる利点をもっている.この実習ではグラム染色法を習得し,細菌の形態的特徴を把握し,常在菌叢についての理解を深め,口腔内ケアの重要性を認識できることを目標にしている.実際に群馬大学医学部保健学科看護学専攻2年生(80名)が実施している実習を紹介する.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.