特集 教育と臨床の実践的連携をめざして―青森県立保健大学のユニフィケーション
ユニフィケーションの実際
急性期ケア領域から
中村 恵子
1
1青森県立保健大学健康科学部看護学科
pp.508-509
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902284
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はじめに
看護基礎教育が大学教育であろうが,専門学校で行われようが,臨地実習の重要さを疑う余地はない.臨地実習は看護のダイナミックさ,喜び,苦しさ,難しさを学生自らの体験により獲得する学習方法であり,教育方法である.ここ数年,日本の看護界でユニフィケーションやユニフィケーションモデルが取りざたされ,遂行しようと試みられている.それは,大学化が進むにつれ教育と実践の乖離が起こり,実践者は教育や研究から離れ,教育者はさらに実践から離れる傾向にある事態を何とかしたいとの試みでもある.日本看護協会調査報告(1993年)によると,看護教育に対する教員の意見では,教員の臨床経験不足,教育と臨床の人的交流が少ないことによる信頼関係の不足,問題などの改善のためのコミュニケーション促進の必要性が挙げられている.
筆者は前任校にて実践(看護部長)と教員を兼務した経験から,その重要性を実感していた矢先に現学長から「青森で実践を重視した看護学教育をしてみないか」と誘われ,気がついた時には頭を縦に振っていた.これが青森へ赴任した経緯の一要因であり,実践と教育のインテグレートの話が出なければ青森県にてユニフィケーションの仲間に入ることはなかった.それだけにユニフィケーションを推進し実行するのはさまざまな困難があろうとも楽しみな事業の1つである.
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