連載 クリティカルケア看護 基礎看護教育での展開・2
4年制大学におけるクリティカルケア看護の授業の開発
池松 裕子
1
1国際医療福祉大学保健学部看護学科
pp.390-394
発行日 2000年5月25日
Published Date 2000/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902261
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はじめに
生命危機状態にある患者の看護,すなわちクリティカルケア看護は,人工呼吸器や血管作動薬による救命治療法の発達とともに出現してきた.今日ではクリティカルな患者を一部署に集めて治療を行う考え方が普及し,全国の中~大規模病院のほとんどに集中治療部(室)(Intensive CareUnit=ICU)が設置されている.ICUでは,救命のための治療がより効果的に行われるため,従来,急性の生命危機状態で死亡していた患者が救命され,長期に全身管理が行われ,それにより看護の果たす役割が拡大してきている.
しかし,日本においては,ICUにおける看護は特殊な看護として,基礎看護教育ではほとんど取り扱わず,各医療施設の施設内訓練(on jobtraining)に委ねられてきた.その結果,ICUに働く看護婦(士)の知識,技術は施設によってさまざまであり,わが国全体としてのクリティカルケア看護の水準向上につながっていない.
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