グラフ
学生もチームの一員―滝川市立高等看護学院の実習に同行して
佐藤 紀子
1
,
八木 保
1東京女子医科大学看護学部
pp.1021-1023
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902169
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滝川市は人口4万7千人の小都市である.この北国の小都市で,今,保健医療福祉のシステムが大きく変わりつつある.縦割りに行われていた保健・医療・福祉が,その境界を越え連携を越えて人と人とのつながりの中で動き始めている.そこには,多くの看護職の10年近い年月をかけた組織作りのプロセスがあった.
この組織作りの中に,看護の基礎教育を受ける学生たちも巻き込まれ組み入れられている.滝川市立高等看護学院は,1学年の定員が25人の小さな学校である.学生たちは病院,在宅の壁をいともたやすく乗り越え実習をしていた.病院で受け持った患者さんが退院の時期を迎えると,看護チームのカンファレンスが持たれる.在宅でどのような支援が必要かが家族を交えて話し合われる.そこには病棟看護婦,訪問看護室の看護婦,在宅介護支援センターの所長(看護職),ヘルパーの責任者が集まり,情報交換がなされ,必要な看護や介護や支援が構築されていく.もちろん介護保険を視野に入れた検討もなされる.そして患者さんは退院していく.家庭には訪問看護室の看護婦やヘルパーが訪問し,留置カテーテル交換,点滴交換など医療処置と平行して日常ケアの入浴をはじめとしたさまざまなサービスが行われる.学生たちは,一人の人を家族と共に支えるシステムが見える中で実習をしている.
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