臨床に資する看護研究―私の研究指導 第3部 研究に必要な情報
―学生の卒業研究に協力して語った―闘病生活につき合った家族の思い
三橋 醇
1
1日本つばき協会
pp.1006-1009
発行日 1998年11月30日
Published Date 1998/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901975
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私は,妻が神奈川県にある病院で終末を迎えたことが縁で,看護学校の学生さんの卒業研究に協力させてもらいました.私の経験が,これからの看護に役に立てばとの思いで,学校に赴き,学生さんの質問に答えるという形で,話をしました.先生も,学生(3人)も,遠慮がちに見えましたが,私としては,過去の出来事であるし,患者も亡くなっており,何もはばかることはないと考えていましたので,経験した医療・看護のこと,私の介護についての思い,考えを率直に話しました.
先生も,学生も人柄がよく好感のもてる方々でした.私事に立ち入ることはひとつもありませんでした.私のような患者の家族の思い,悩んだ経験にふれることが,卒業研究の事例としてだけでなく,自分たちの人間形成に役立ち,患者に接するときに何が患者の心にふれるかを知ってもらえたら幸いと思い,インタビューに応じた次第です.質問されて答えたのは,妻ががんになり,その闘病につき合った夫の,男の思い,すなわち発病から再発そして死に至るまで厄介になった病院,医師,看護婦に対して感じたことでした.
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