特集 エイズを考える授業
エイズに関する現在の問題―感染管理の視点から学生に伝えたいこと
土井 英史
1
1ヘルスケアリソース研究所
pp.827-831
発行日 1998年11月25日
Published Date 1998/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901932
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はじめに
私は看護士として感染管理の情報提供,ボトムアップと平坦化(運動場の“とんぼがけ”のようなイメージ)を目的としてヘルスケアリソース研究所を開設し,現在は公的機関(厚生省,看護協会など)や,複数の病院でInfection Control Coordinatorとして教育・啓蒙に携わっております.
感染管理という視点から日本の現状を見ると,欧米の国策としての体制や取り組みおよび病院での組織化などと比べて約20年の遅れをとっている事実は否めません.この背景には保険医療システムの違いが大きいのでしょう.しかし,患者にとってはどの国の医療であっても同じ医療に違いはなく,また,医療現場で働く医療従事者にも同様のことが言えなければなりません.つまり,「医療の最終利益は誰のものなのか」を真摯にとらえることが非常に重要であり,このことについてグローバルな視点と感染管理の視点から述べることにします.
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