特集 進学コースを考える
進学コースの現状とその意義
山田 里津
1
1厚生省医務局看護課
pp.2-7
発行日 1966年3月1日
Published Date 1966/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905576
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よく耳にする話だが,看護教育制度はいま曲り角にきた,ということについてである。まず曲り角なる言葉をしらべてみると,正道を歩いてきたが現在の時点ではその道が正道でなくなり,極端に方向を変更して,その曲り角から出発した新らしい道に向って出発することをいうのであるとかいてあった。であれば私は看護制度は曲り角にきているのではないと思うのである。つまり目標のはっきりしたところまで歩いてきて,これから,その目標に近づくべく登り坂に到達したと考えるのである。あと一息なのだ。言いかえれば看護婦養成機関に教育の主体性が抬頭してきたのである。主体性とは総合医療の中で患者中心の看護をどのように行なうかを目標とすることが看護教育の核心であって,つまり患者の直接看護から,リハビリテーションまでを含むものであって,それらの学問は看護婦自らの手で,研究し,理念を打ちたてることなのである。
題材から内容を進学コースにしぼらなければならないが,看護教育そのものは如何なる段階であっても,この基本でなければならないことを述べて,その上で焦点を進学コースにあてたい。
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