特別記事 新世紀の看護にふさわしい臨地実習教育へ―第23回国立医療技術短期大学部看護学科協議会総会シンポジウムより
臨床では指導者をどう育てるか
橋場 憲子
1
1岐阜大学医学部附属病院
pp.770-773
発行日 1997年10月25日
Published Date 1997/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901696
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臨床指導者のジレンマ
21世紀の看護を担っていく看護婦をどのように養成するかは,我々臨床現場にいる者にとっても大きな関心事であり,課題である.現在,臨床現場においては,患者のニーズの多様化と権利意識の高まりに対応すべく,1人ひとりの患者に対し責任ある看護の提供をめざした看護体制の整備と,現状に即した見直しが急務となっている.こうしたシステムの見直しおよび整備に際しては,看護職員の意識変革とその浸透に大きなパワーと時間が必要となる.臨床の看護婦はこの差し迫った課題の達成に懸命になって臨んでいる.
学生の実習の受け入れは,こうした限られた人的・物的・時間的な条件の中でされている.その上,臨床では,看護実践者である看護婦自らの現任教育もまた不可欠である.そのため看護職の現任教育と将来の看護を左右する学生の看護基礎教育への関与とのバランスシートは,臨床の教育担当者としては,大いに頭を悩ますところである.
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