講義ノート 新しい在宅看護論精神看護学
人間関係論としての精神看護学
序 新しい精神看護学の考え方
末安 民生
1
1東海大学健康科学部看護学科
pp.1021-1023
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901507
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指定規則の改正と新カリキュラム
本年(1996)4月,「看護職員の養成に関するカリキュラム等改善検討会」の中間報告が公表されて以来,多くの看護教員に,どのような内容になるのか,なぜ今なのかと,不安と期待をもって待たれていた新しい「保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則」が,8月下旬,ついに告示された.
今回の改正は,以前からの課題であった,少子・高齢化社会の到来と社会経済システムの変化とに見合った看護の質の向上と,看護とその教育を魅力あるものにするという方向性をもっている.この新しいカリキュラムが,人と人との関係がますます多様化していく現代社会にあって,看護教育の閉塞的な現状を何とか変えて,看護職の新たな役割を追求したいと考えている教員たちの思いに十分応える内容となっているかについては,若干の疑問が残ってはいるとはいえ,看護教育が新しい方向へ一歩踏み出したという印象をもつ人は少なくないだろう.完全なものに向かっては,今後段階的に追求していくほかはない.少なくとも,現在よりも教員の自由裁量権が広がり,教員個人の発想が生かされる可能性が盛り込まれたことは歓迎すべきことであろう.
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