特集 日常臨床検査法
序
樫田 良精
1
1関東中央病院
pp.1369
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908778
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今日の日常診療における臨床検査の増加の勢いは,まことにすさまじい.たとえ病床数や外来患者数があまり変わらなくとも,5年間で検査件数は2倍,あるいはそれ以上に急増している.受診者の質の変化から,一方診療の内容がきめ細かくなったために,臨床検査に依存せざるを得ない度合いがそれだけ増した結果である.検査室側としては検査の自動化,簡易化,データ処理技術の導入など,次々と受け入れ体制の強化に努めているが,急増する需要になかなか追いつけないのが一般の施設の現状である.
日常の臨床検査を合理的に行うには,いろいろなくふうや配慮が必要であるが,その一つにup to dateな日常検査法を絶えず吸収して活用することがたいせつである.本誌の使命の一つはこの最新の情報を絶えず読者に提供することにあるので,この線に沿って毎号の編集に努力しているが,多種多様の検査項目すべてを網羅することはなかなか困難である.特に検査法が安定している項目,あるいは進歩発展のあまりない項目は取り上げられる機会が少ない.この欠点を補う意味で本誌では"日常検査法"の特集を臨時増刊号の形式で,ほぼ4年ごとに行っている.
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