特集 「抑制」の重さと看護教育
抑制=看護する者の人間としての質を問われるもの―精神科看護にかかわる中で
与座 和子
1
1玉木病院デイケア室
pp.1150-1154
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901282
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はじめに
精神科に勤務して5年,現在はデイケア室を担当している私が,このテーマについて書くことは,大いにためらいがある.しかし私は現在までの36年間の看護生活の中で10年間を看護教育の場に籍をおいており,その間,「抑制について」の講義もし,実際に学生と共に精神病院での実習を通じて多くの「抑制」の現場を経験している.その折々に出会った臨床現場での「抑制」に対する個々の看護者の考え方や,「抑制」のあり方に,教室での講義とは大きな開きのある一面をも学ばせられた.
そのギャップに悩む学生たちの心の動揺や,現実の看護場面に対する批判をも含め,再三教室でディスカッションをくり返したものである.そのつど精神科における患者の人権を守るという立場での「抑制」のあり方や,対応のむずかしさを考える機会を与えられてきた.
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