NURSING EYE
看護における患者のプライバシー尊重—その視点と今後の課題
小川 圭子
pp.464-468
発行日 1985年8月25日
Published Date 1985/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908127
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<プライバシー>への注目
看護に関する諸問題を考えていくと,あまりに多くの問題が複合していて,一見どこから手をつけたらよいのかわからなくなるほど絡みあっていることが多い.そんな時,絡んだ糸をほぐすキー・ポイントの1つは,‘患者を尊重する看護をしていくには’という視点に返ってみることではないだろうか.
しかし実際,‘患者の尊重を’という時,尊重という言葉が抽象的であるがゆえに言葉だけが先行し,内実が伴わない恐れがある.事実,臨床の場で‘患者を尊重すること’に反対する看護者はいないと思われるが,患者は十分に尊重されているとは言い難い.このギャップを縮めていくためには,‘患者を尊重する’という理念(考え方)を,より具体的なレベルまで広げ,深めていく必要がある.
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