NURSING EYE
看護教育における宗教の意義
小松 奈美子
1
1日本赤十字看護大学
pp.198-201
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901071
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はじめに
私は,看護大学等で「生命倫理」を講義しているが,その授業の中で,「死」の問題は重要な位置を占めている.しかし,「死」は人間にとって最もやっかいな問題でもある.「死」は,すべての人にとって不可避であるにもかかわらず,非常に不可解であり,時には,人間の前に不気味に立ちはだかる怪物のようにさえ感じられる.ある学生は「死」について,次のように書いている.
[私は,死後のことを考えると,頭がパニック状態になり,不安になってしまいます.死んだら,生きていた時の楽しい思い出,悲しい思い出,そして自分自身の存在すらなくなってしまう.“無”の世界に行ってしまうのだろうか.いや,それでは悲しすぎる…と感じてしまいます.「死」ってほんとうに不可解です.(H. Hさん)]
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