連載 看護の思想
宗教としての看護
青木 茂
pp.49-52
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913585
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〈宗教としての看護〉とは何か
1)ここで宗教のくわしい定義はできないが一般に人間が超人間的な力をみとめて,これに対する畏敬あるいは信頼感に基づいて行なう礼拝や儀式,そのばあいの人間的感情を宗教と呼ぼう。
このような宗教は原始人の世界観の中に根ざした深い自然への恐怖や驚異,それを表現した各種の民族神話を以てはじまり,現代におけるいわゆる「高等宗教」にまでおよんでいる人間の最も本質的な行為の一つである。しかも宗教は人間と人間との交わり(コイノニア,コムュニケーション)を離れてはあり得ないから,人間関係の基礎を形成するきわめて重要な原理となる。
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