特集 「自立支援介護」に思う
ナイティンゲールの視点から「自立支援介護」を考える
中村 順子
1,2
1秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻地域生活支援看護学講座
2地域包括ケア・介護予防研修センター
pp.116-118
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200633
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成長戦略を検討する政府の未来投資会議において、安倍晋三首相の「介護が要らない状態までの回復をめざす」ことを「パラダイムシフト」であるとした発言に違和感を覚えた人は多いのではないかと思う。そもそも「介護離職を防ぐ」ために「施設を増やす」方針を唱えたときから、違和感はあった。
国を挙げてめざそうとしている地域包括ケアシステムの構築や考え方は、それまでの介護や医療のシステム、自分らしく最期までどこで暮らすかという問い、多くの実践やその体制、そしてそれらのふり返りが基盤になって生まれた概念ではなかったか。介護が必要になっても自分らしく暮らすためのシステムはQOLを保証するシステムであり、人としての尊厳を守るシステムであるはずで、この一連の発言には、高齢化、介護、QOLなどについてどのようにとらえているのかという疑問がつきまとう。
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