特集 クオリティオブライフとPOS―第16回日本POS医療学会報告
教育講演Ⅱ
医の心
坂上 正道
1
1日本医師会
pp.918-924
発行日 1994年11月30日
Published Date 1994/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900972
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医の基本
医療は,人が人に対して行なうものです.したがいまして,その技術については,技術とともに心が問われるわけです.
日本に発生した医療を思い返してみますと,奈良時代には仏教と共存していました.悲田院,施薬院という魂の救いと肉体の救いを行なう場所が併存していました.それが学問として実を結んだのは平安時代です.994年にわが国では初めて丹波康頼によって,30巻にわたる『医心方』という教科書が編纂されています.これは耳鼻咽喉科,産婦人科,内科,小児科その他,現在の臨床の各科に分化しておりますが,注目すべきことは,その第1巻で「医の心」を説いていることです.
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