特集 高齢社会と子どもの医療
[てい談]小児医療における病院の役割
小林 登
1
,
坂上 正道
2
,
村瀬 雄二
3
Noboru KOBAYASHI
1
,
Masamichi SAKANOUE
2
,
Yuji MURASE
3
1国立小児病院
2北里大学看護学部
3済生会神奈川県病院小児科
pp.38-46
発行日 1992年1月1日
Published Date 1992/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900008
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小児医療システムの現状をどう評価するか
村瀬 高齢社会の進展が急な今日,老人問題にスポットが当てられているわけですが,その一方で,わが国の子どもの医療は本当にうまくいっているのかが問われるべき状況にあるのではないかと思います.というのは,一部では乳児死亡率が世界一低いということで,子どもの医療にはあまり大きな問題はないんだというような風潮があって,小児医療の問題はどうも隅のほうに押しやられている.また,女性が一生に産む子どもの数はどんどん減って今年は1.53人,小児科医にとっても構造不況のような状況があります.そういうことで,この座談会では,日本の小児医療は本当にうまくいっているのか,ということをまず考えてみたいと思います.もしそうでないとしたら,何をどのように変えていったら良いのか,その辺の問題が今日の議論の主題になろうかと思います.
そこで,先生方は日本の小児医療システムの現状をどう評価されているか,まず坂上先生から周産期医療システムについてのお考えをお聞かせ下さい.
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