連載 解剖学はおもしろい・5
呼吸器―肺は浮き袋
上野 正彦
1
1東京都監察医務院
pp.634-637
発行日 1993年8月25日
Published Date 1993/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900652
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鼻から入った空気は肺胞でガス交換する
空気が鼻,咽喉頭,気管,気管支を経て肺に達し,出入りをくり返して肺胞でガス交換を行なうのが,呼吸器である.
空気が鼻から肺胞に達するまでの途中の気管は,空気の通路となるので気道という.気道になる鼻腔はとくに狭くなっている.狭いことによって,肺に異物が侵入するのを防いだり,冬など冷たい空気が直接肺に入って肺炎などの病気を起こさないように,空気に温度と湿度を与え身を守っているのである.カゼをひいたり,鼻炎を起こすと粘膜がはれて,その部に鼻閉塞(はなづまり)を生ずる.
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