連載 1つの看護教育史 1946~53 東京看護教育模範学院で学んだ人々・11
戦後看護教育草創期の評価をめぐって―東京看護教育模範学院における看護教育の特徴と成果
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.872-875
発行日 1992年11月25日
Published Date 1992/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900490
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はじめに
前号の卒業生の動向調査の結果に続いて,彼女らが,当時受けた教育の中で何を学んだかに光を当ててみようと思う.前にも述べたので多少重複するが,国土の荒廃と物資の極端な欠乏という社会状況を背景に,伝染性疾患,急性疾患を中心とした疾病構造と,深刻なベッド不足,そして今とは全く質の異なる看護ヒューマンパワーの不足を思い出していただきたい.
この時期,高等教育を受けた保健専門職を世に送り出すことは,単に人々の健康レベルの向上だけではなく,敗戦で虚脱状態となっていた人心の安定をはかり,占領政策を遂行する上で,占領軍にとっても,急務を要する課題であったに違いない.
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