BOOKS 海外文献
海外文献にみる看護教育学研究
鈴木 純恵
1
1自治医科大学看護短期大学
pp.126-127
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900341
- 有料閲覧
- 文献概要
学生の自律性育成のための一方略:女性に関する保健の授業を通して
看護が今なお主に女性の仕事であるとみなされている背景には,長年にわたる性的役割分担の歴史がある.奉仕される側,言い換えればヘルスケアの「消費者」の中には,男女両性が共に含まれているのに,奉仕する側,すなわちヘルスケアシステムの中の看護者,つまり「提供者」がもっぱら女性によって占められてきた事実は,このことを端的に物語っている.その意味で「看護の問題」は,そのもっとも本質的な部分において,実は「女性問題」に他ならないのである.
この論文は,こうした認識に基づいて試みられたあるユニークな授業の報告である.その狙いは,現在のヘルスケアシステムをフェミニズムの立場から分析し,そこに潜む様々な性差別構造を学生に認識させ,意識化させることによって,学生の主体性,自律性を育成することにある.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.