特集 患者教育―教育技法を学ぶ
看護基礎教育における患者教育―組織的・系統的な展開をめざして
高橋 みや子
1
1千葉大学看護学部
pp.518-523
発行日 1991年9月25日
Published Date 1991/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900249
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はなはだ個人的なことであるが,私は10年程前に,A校からB校に転勤したことがあった.B校に移ってまもなく学生の集団指導を見る機会があり,その際,学生が異常に緊張しているのに直面し,驚いた.A校ではみられない学生の緊張だった.その時点では,学生個人の準備不足かと考えた.しかしながら,まもなく,学生は集団指導を行なうのが全く初めてであり,むしろ精いっぱい努力した結果であることに気づかされた.学生個々人の問題ではなく,教育課程上の患者教育の位置づけと,教科目の教育内容と教育方法が原因らしいと推察された.
当時,A校では,看護学総論とならんで保健学総論がおかれ,臨床実習の中に保健学実習がおかれていた.学生は,講義―演習を通して患者教育に関する理論,患者教育方法を学習し,演習―実習を通して患者教育過程を展開していた.
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