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「どこで働いても地域生活者へのケアの発想で活動できる看護職を」
島内 節
1,2
1東京医科歯科大学
2医学部保健衛生学科
pp.817
発行日 1990年12月25日
Published Date 1990/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900141
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国立大学では久々の4年制が誕生した.保健衛生学科は看護学専攻と臨床技術学専攻の2つで構成.発足前から修士・博士課程の大学院も学生の学年進行に合わせて設置したいとの大学の考えである.「これからの保健医療は,健康問題の複雑化や高齢化を迎えて,総合的な健康問題解決思考とチームワークで活動を展開する必要があります.そこで看護教育では,健康状態を生活と環境との関係でとらえて,系統的な問題解決型思考と創造的な看護技術を行なえる人材,どこで働いても援助する人々の生活の基盤となっている地域を理解してケアのできる,質の高い実務者・指導者になるための基礎的能力をもつ人材の養成を目指しています」
「これからは臨床看護婦も患者・家族の地域や生活特性を臨床看護そのものに具体的に生かしたり,継続ケアニーズが増大することに対して地域の保健医療福祉活動の実態を知って連携をとる方法の学習も必要です.他職種とのチームワークにおいては,看護職として保健医療において何ができるのかを具体的に明示すること,その領域についての一つ一つの知識と技術が信頼される質をもたなければ,真のチームワークは成立しません.個人・家族・集団・地域レベルで,いかに効果的に看護活動を展開していくかを考えると,看護職は個別ケアとともにグループケア,家族ケア,職場や地域を単位としたマネジメント・活動の組織化の能力も重要です.
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