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巻頭言
高齢者ケア施設で働く看護職とつながろう
Let's cooperate with nurses working in long-term care facility for elderly
北川 公子
1
Kimiko Kitagawa
1
1共立女子大学看護学部
1Department of Nursing, Kyoritsu Women's University
pp.3-4
発行日 2015年3月30日
Published Date 2015/3/30
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- Abstract 文献概要
臨地実習の依頼や打ち合わせのために特別養護老人ホーム(以下,特養)やデイサービスの事業所を訪ねると,打ち合わせ後に,「ところで……どなたか看護職のお知り合い,いないでしょうか」という相談を受けることが,時々ある.大病院志向の学生たちの顔を思い浮かべながら,新卒で特養への就職を希望する学生がいない現状を詫び,結婚や子育て等を契機に高齢者ケア施設への転職を模索する卒業生にこころを留めておくことを伝えて,その場を引き上げるしかない.いつになったら看護の人材は,たっぷりと,高齢者ケア施設まで届くのであろう.
2013(平成25)年の「介護サービス施設・事業所調査」から,介護老人福祉施設,介護老人保健施設で働く看護職(常勤換算)の人数をみると,前者25,165人,後者37,045人であり,10年前(2003年)の16,854人,28,956人からそれぞれ大きく増加している.これには施設数の増加に加え,入居者の重度化や看取りの推進に対応して設けられた加算の効果が考えられる.とくに特養は,制度上,入所定員100人に対して最低3人の看護師の配置であり,かつ医師は非常勤でよいことになっている.もちろん,重度化する利用者に対応するため,定数以上に看護職を雇用し,医師の診療体制を強化するなど,特養側も懸命に努力している.しかし,それでもこの制度下で働く看護職の孤独が想像できる.
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