特別記事
「アントレプレナーシップ教育×看護学教育」の取り組み―学生に人生を切り拓く力をもたらすために
成瀬 愛子
1
,
増田 恵
2
1浜松医科大学次世代創造医工情報教育センター
2JA静岡厚生連遠州病院健康管理センター
pp.708-714
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202332
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アントレプレナーシップ(Entrepreneurship)とは
アントレプレナーシップ(以下、アントレ)は、「起業家精神」と訳されることが多く、しばしば「会社を起こす」ことを連想しがちである。しかし、諸外国では「人生を切り拓く力」を養うものとして教育が重要視され、初等教育からアントレ教育が導入されている。文部科学省も、アントレを「さまざまな困難や変化に対し、与えられた環境のみならず自ら枠を超えて行動を起こし、新たな価値を生み出していく精神」と定義しており、単に起業家を育成するためのビジネス教育とは異なることを強調している1)。
英語の「-ship」は、状態、能力、技量を意味する接尾辞で、アントレは精神論のみならず、後天的に獲得できる知識や技能、思考力といった要素を含んでいる。アントレに関連するコンピテンシー(安定的に高い成果を生み出す人の行動特性)はEntrepreneurship Competence Framework(EntreComp)として欧州委員会が示しており2)、その内容をまとめた[表1]。
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