特集 病院と学生教育―地域で育てる医療人
市中病院にとって学生教育がもたらすもの
川本 龍一
1,2
1愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療学講座
2西予市地域サテライトセンター(西予市立野村病院内科)
キーワード:
地域医療学
,
学生教育
,
市中病院
,
地域連携
,
多職種連携
Keyword:
地域医療学
,
学生教育
,
市中病院
,
地域連携
,
多職種連携
pp.623-626
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102325
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今日,医師不足とその偏在は急速な地域の「医療崩壊」を招き,急激に進行するへき地の過疎化と相俟って,深刻な事態を迎えている.愛媛県は全国で6番目に過疎地域が多く,また有人離島も長崎県に次いで多い県であるために,この傾向は一層著しい.県内の医師数は愛媛県全体では10万人対234人と日本の平均より多いものの,大部分は県の中心である松山市内に集中しており,高齢化の進むへき地は慢性的に医師が不足し,全国的に見ても平均を大きく下回っている(10万人対154から205人).
また,少子高齢化の進行は著しく,要介護者の増加,老・老介護や認・認介護,老人の1人暮らしや限界集落の増加など多くの問題が生じ,さらに高齢化に伴って生活習慣病が増加し,疾病も複雑化している.そのため地域医療に従事する医師には疾病のみならず家族・職場・地域にも思いを及ぼす,幅広い医療活動が求められている1).
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